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日々響く日々

雪に会いたい

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雪に会いたい

先週の水曜日、学生たちに連れられてペットショップに行った。
もともと犬と触れ合えるレストランに行きたいと言ったのに
馬鹿で知られる「海賊王(女)」が日本語を聞き取れなかったことで
こうなった。

ペットショップといってもひどい環境。
近づくほどに動物のけたたましい声が聞こえてくる。
一体何が起こってるのかと思ったらこんな状況。

子犬は水槽のようなところに押し込められ、
育って大きくなった犬もものすごく狭い檻に閉じ込められて
みんなストレスなのか狂ったように鳴いている。

水槽の子犬に目をやると、おばさんが出てきて、
まるで果物でも売るかのように子犬をつまみあげて
どれにする?と聞いてくる。

子犬はみんなぐったりしていた。

はっきりいってじゃぱんの保健所の方が衛生的にもいいんじゃないかってぐらいの
環境だった。

そして犬がものすごく安い。
たとえばゴールデンレトリバーの子犬は5千円。

大きくなった犬は一体いくらなのか知らないけれど・・・。
こんな凶暴になったような犬を誰が飼うのだろう・・・。
これもひどいけど、じゃあ育ったら売れないからって殺す
じゃぱんはじゃぱんでどうかとも思う。

もういるだけで気分が悪いので立ち去ろうと思っているところを
海賊王があっちに大きな犬の子犬がいると言ってくる。
わたしはたしかにレストランの大きな犬と遊びたいと言ったが
飼いたいとは一言も言ってない。
どうやらこのバカが誤解したんだというのがやっとわかってきた。

そして海賊王に連れて行かれた店で目が合ったのが
真っ白なシベリアンハスキーの子犬。

もうその目をみたら、その場から動けなくなってしまった。
なんて綺麗な目の色だろうと思った。
透明な淡い水色の瞳。

値段は700元(約1万円)
もう一匹のオスはなんとなくりんたろうに似ていて
話しかけたら返事して吠えるのもそっちのオスで
「うちに来る?」って聞いたら返事したのもそのオスだったんだけど
どうしてもその兄か弟かわからないオスに押しのけられたり噛み付かれたりしている
最初に目があったメス犬の方が気になった。

そして、なんと、買ってしまった・・・。

目が合った瞬間、名前が心にあった。
「雪」
雪のように真っ白で氷のように綺麗な瞳だったから。

雪はダンボールに入られられそのままバスでうちに。

ところがバカが正門から堂々と入ろうとして
外教だ!と言えば大丈夫と思ったのか私の名前まで出したので
警備に止められて、中に入れなくなってしまった。

基本、大学内でペットを飼ってはいけない。
それでも飼っている人がいるのがここだけど。

案の定、入れなくなってしまったところを
もうひとりの機転の利く学生がルームメイトを呼び出し、
雪をリュックに入れて、外の隙間から渡した。

そして警備のいない方の入口から車などに紛れて無事学内に入る。

まさに無計画に連れてきてしまった雪。

ペットショップではぐったりしていたのに
家の中では元気に走り回り、あちこちかじりついたり
けっこうたいへん。

目が離せないので結構消耗したし
考えてみたら大きくなる犬・・・。

いつまで隠れて飼い通せるかもわからない。

そんなわけで、誰かに譲った方がいいのではないかと思い始めた。

でも翌日にはもう悩み始める。

この温もりを失いたくないと思った。

ここでまたいつもの私のどうしようもなさが出てくる。

自分でやらかしてしまったことを周りになんとかしてもらおうとしたり
やりたいことのリスクや責任まですべて引き受けて貫けずぐじぐじ悩む。

けっきょくポジさんの知り合いの一家が
引き取りたいと言ってきたが
自分の感情としては渡したくない。
かといってさしあたってまず冬休みが困る。
日本に連れて行くにも手続きがたいへん。
みつかったらここを出て行かねばならない。
色々な状況から雪にとって飼うのに適した状況とも言えない。

そんなことを悶々と考えながら
ただ雪を抱きしめていた。

雪は赤ちゃんと一緒で
抱いていればすぐ寝る。

逆にわたしがシャワーに入ってたり授業に行ってたり
姿が見えないとすぐ騒ぐ。

誰かいさえすればまったく吠えない犬だけど
一人にされるのは本当にダメなすっかり甘えん坊になっていた。

だからわたしが授業に行っている間は
元旦那に一緒にいてもらったりした。

元旦那はもともと動物好きだし動物にも非常に好かれる。

そして一緒に散歩に行ったり、なぜか一緒にごはんを食べたりした。

こういう時間がほしかったんだと思った。
そしてそれは自分で用意すればすんなり叶うものだった。
いつもいつも人に与えられることばかり望み、
自分にとって都合のいい状況になることだけを願って
相手にそれを求めていた。

退院後の父とりんたろうと三人で近くの公園を散歩した日のこともよく覚えている。
月が出ていた。幸せだと思った。
ああいうものが自分の望んでいる幸せなのに
なのになぜ今自分は一人で家族も犬もそばにはいないのだろう。


やっぱり雪は自分が育てよう!
出て行けと言われるなら出ていこう。
犬がいても働けるところを探そう。
そう決めて、ポジさんの家に雪を抱いて行った。
そしたらちょうどそこに犬を引き取りたいという女の子が来ていた。

ポジさんは「おまえ、自分で断れよ」という。
そしてここでまた出てきた私の悪い癖。

それが断るに足るだけの理由を先に求める。

そしてその子に家の環境について聞いた。

部屋は広いし、犬は家の中で放し飼いにしてくれるし
弟も含めて家族みんな犬が大好きだということ。
以前飼っていた犬は病気で7,8歳で死んでしまったということ。
それから犬は飼っていないけど、もらえるなら大事にするということ。
散歩も朝晩必ず二時間するということ。

雪にとってはいい条件だ。
夏休み、冬休みのたびに人にあずけられることもない。
病院に行きたいときにすぐ行ける(お母さんは白タクの仕事してる)。
群れで過ごすことをとくに好むハスキーにとって
姉弟がいる家庭は向いているのかもしれない。

そしてわたしは泣く泣く雪をその子に託した。

そして翌日の今日、ひどく後悔している。

雪のいない部屋、雪の温もり、じっとわたしを見ていた雪。

シャワーを浴びていたらドアの前で鳴きながら待っていた。
鳴かないと思ったらわたしの犬パジャマをひっぱりだしてきて
その上に座って落ち着いていた。

雪にとってわたしはお母さんだった。
なのにわたしは雪を捨てたんだ。
元旦那にも言われた。
わたしは雪を捨てたんだ。

雪がいない、雪がいない、雪がいない・・・。



 
もうこの部屋のどこにもいない。

じゃあ取り返してくれば?とリーリーはいう。

でも取り返してわたしが幸せにしてみせるという覚悟もない。

こうして自分はずっと中途半端だから、いつまでも苦しい。

リスクごと引き受けても選び取ろうとすることがないから
結局自分が何を望むのか何がしたいのかもわからず
これがしたいからやる!ではなく、これが嫌だから選ばない!の
後ろ向き選択をするようになっている。

いつからこんなふうになってしまったのか。

わたしはただただ雪の温もりがほしかった。
でもその温もりのためのリスクごと請け負うこともできなかった。

連れてきておいて、
どうしよう、困った、困ったと
一変した生活とこれからの不安で途方に暮れる私のそばにいる
雪が一番かわいそうだった。

それでもわたしの姿を探して、それでもわたしにくっついて寝て
何よりも誰よりも幸せにしなきゃいけないと思ったのに
自分がそれをやり抜くという覚悟も決心もなかった。

雪は自分が変わるためのチャンスだったかもしれないのに
またそれを逃した。

結婚でも失敗した。

もう本当に自分が嫌いになるようなことばかりだ。

それで、昨日は前から元旦那に誘われていた学生との会食に行ったのだけど
行く途中また元旦那と喧嘩になった。

悲嘆に暮れるわたしをあざ笑うかのような態度に腹がたったからだ。

だけどそれもまたわたしが
心のテンプレートを彼におしつけた結果で、
テンプレートどおりのことを言わないからって
「おまえに心がない!」と言うのはちがう。
そこは謝った。

もうそんなくだらないパターンはやめたら?ってことを彼は言っていただけだ。
今回のことは犬にとっては最善の選択、
でもわたしにとってはいつもと同じグダグダのパターンで
結局何も変わってないってのが露呈したってだけのことを
彼は言っていたのだった。

わたしは情緒的というか感情過多の人間で
同じタイプのつっちーやサザエとばかり共感しあうことが多いけれど
こういう宇宙人との対話も必要だと思った。
まあ向こうにとってはわたしが宇宙人なんだろうけど。
「地球に人間の感情学びに来たならしっかり学べ!」と言ったけど
彼に感情がないわけではない。
ただこっちのテンプレートとはちがうだけなのだ。

感情中毒は危険だ。
自分を俯瞰して見る必要がある。
そのためには自分とはまったくちがう宇宙人との対話は必要。
まあ、今回もいつもと同じでキレてしまったけれど
言ってることは信頼できる友ぬっきーとまったく同じだったし
自分に必要なことだと思った。

最近、自分は平穏に幸せに暮らしていると思っていたけれど
結局嫌なことがなかっただけで、基本的な部分は何も変わっていなくて
相変わらずのダメ人間ってのもわかったし
課題も浮き彫りになった。

すべては雪との突然の出会いから。

たった三日間一緒にいただけなのに
雪が恋しくてたまらない。

犬が必要なのは、犬と暮らした日々が本当に幸せだと思うから。

大人になった雪との生活も想像した。
真っ白なハスキーは少ないという。
薄い水色の瞳、ピンクの耳、きっと雪の中で映えるだろう。
北海道の雪の中で駆け回る雪が見たかった。

雪にひっかかれたこの傷が消えるころには心の傷も少しはマシになるんだろうか。
その頃には雪は完全にわたしを忘れているんだろうか。

納豆が好きで、お茶が好きな雪。
納豆三パック女の子に渡した。

ダメだ、つらい。

やはりわたしが意地でも育てればよかったんじゃないか・・・。

こんな後悔味わうぐらいなら
リスクごとあの温もりを手に入れていればよかった。

わたしに勇気が足りないばかりに

ポジさんにメールで断ればよかった。
あのとき雪を連れて行かなければよかった。
女の子にあわなければよかった。

でも一番だめなのは迷い続けた私。

買った時点で飼う覚悟が必要だった。

決心がいつも足りない。

ただ流されて状況に身を任せるだけの人生は
本当に本当にもう嫌だ。

こんな自分は本当にもう嫌だ。

後ろ向きな選択はもう二度としたくない。
決断を人に任せるのはもうやめたい。
誰かのせい、何かのせい、
できない理由探し、無理な言い訳、行動できないことの確認、
そういったいっさいがっさいをすべて投げ捨てて
本当に自由になりたい。

自由だと思っていた自分はすべてメッキの塊だったと
心底気づかされた。

なんにしても元旦那の言うとおり、
わたしは生き物を弄んだんだろう。

ポジさんはあの劣悪な環境から救い出して
いい家族に任せたんだからいいことをだと言うけど
結局自分で飼えなくて投げ出したようなもんで
元旦那に「犬を捨てた」と言われても否定できない。

そしてまた批判され続けている。

この環境から逃れたいからちがう大学に行きたいと思ったけれど
それも後ろ向きな選択なんだろう。

元旦那の言ってることは正論でもあるし
私のダメなところは田代まさしの盗撮みたいなものだと
けなされても言い返すこともできない。

ほんと元旦那視点で見ると
わたしにはまったくいいところもなく
ただダメなところだけがあり
同じダメパターンを繰り返すダメ人間。

それでもわたしは人に恵まれていて
周りの人によくしてもらっているので
そこだけは彼も認めるが、本人はぐだぐだのダメ人間。
よく父にも「ほんとこんな奴がなんで周りには恵まれてるのか」と
言われていたが、ほんと「こんな奴」なんですよ。

学生もさんざん騙されて誤解しているんだろうと思う。

これはサザエなんだけど、
最後の四年生の口語試験のあと、
四年生が自分の試験が終わると
抱きついてきてお礼を言う子が何人もいた。
泣いている子もいた。

でもね、こんなダメ人間なんですよ・・・

だいたい、来年にはやめると大学にも思われてて
なぜか私だけ名指してやめるなら今月中に言えと
期限を迫られている。
やめるならはやく新しい先生を迎える準備をしたいらしい。

まあこれも私次第で
結局大学に必要とされてようがなかろうが
自分がどうしたいかってことだけ。

雪がいれば雪を言い訳に所在地を決めるところだった。

もうそういうの本当にやめたい。

あと半月。

来年の身の振り方を、後ろ向き選択ではない選択で決めたい。

もう雪のような後悔は二度としたくない。

今、リーリーが訪ねてきた。
今日二回目。

孤独に打ちひしがれてるわたしに
前よりよく遊びに行ってやるからと言った言葉どおりに来てくれる。

雪の代わりに太郎を抱かせてくれて、
なんでもかじる太郎を「ほら子犬と一緒だろう」と
慰めてくれるけど、
わたしの目は腐っているのか、どう見ても雪の方がかわいい。

しかも太郎重いだけで、厚着のせいか雪のような温もりがない。

懐かしい歌の歌詞を思い出す。

♬みんな~欲しがるお金で~黄色い子犬を買った~
みんな欲しがる幸せ~強く~強く抱きしめ~た~♬

わたしの幸せはきっと単純な温もりなんだ・・・。

そしてそのためのリスクごと引き受ければ手に入りやすいものなんだろう。







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コメント

1. 無題

少しの怒りと悲しさを感じました。たかがペット、されど家族。
人生をかけて守る覚悟がなければ飼ってほしくない。

Re:無題

おっしゃるとおりです

プロフィール

HN:
倫子
性別:
非公開

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