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日々響く日々

一ヶ月だけの特別授業

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一ヶ月だけの特別授業

前回の記事で、新しい先生なんてこないだろうなーと書いたけど、
どうやら来ることになったらしい。
が、どうやら来るのは4月になるらしく、
国際事務所から新しい先生が来るまで授業をしてくれと直接連絡がきた。

契約では今の給料の範囲内であと一つ授業がもてることになっている。
そこを突いてきた。
あと一つはもてるはずだ、契約上は何の問題もないと。

くっそー

わたしは外語学部の学部長の許可をとってから言ってくれと返事したが、
そんものいらん、契約を交わしているのは国際事務所だと言ってきやがった。

それでも旦那さんは無視したが、
わたしは一つだけならと引き受けた。
水曜は授業ない日だけど、この日ならやってやると伝えた。

わたしが引き受けたのは旅行の二年。
彼らは来週、前学期の試験の追試が控えている。
さらに突然今学期わたしの授業がなくなったことで
学生たちの動揺も大きかった。

だから引き受けることにした。
新しい日本人の先生が来るまでの一ヶ月という約束で。

80人以上まとめての授業はたいへんだが、
それでも彼らには伝えたいこともある。

ボスに決してだまされるなと!

先日、この二年生たちの一部が遊びにきたんだけど、
彼女たちから色々聞いた。

旅行学部本科の一年生と二年生はこのボスが作ったクラスと言われている。
旅行学部本科の学費は他学部の二倍。

中国の大学入試のための一斉試験「高考」の点数が
あまりよろしくない学生たちが
金で「本科」を買ったような感じで、
学費を毎月二倍以上払うことで本科の学歴を得た。
本科でなければ大学院にはいけないそうで、
学歴重視社会の中国ではこれが非常に大きなことになるらしい。

都市部に住むか農村部に住むかによっても必要な点数は異なり
このさんとう省はとくに競争が激しい地域と言われている。
そこに目をつけたのがボスだ。
大学院に行くのも就職するのも人一倍たいへんな学生たちに
「学歴」や「就職」という飴をばらまいてムチを振りかざしている。

倍以上の学費の余剰分だってボスの懐に入っているんだろう。

さらに彼らは「実習」という名目で
彼の関わる会社や提携のところに送り込まれ
働かされている。

今回、二年生たちが言ってきたのは、
彼が三つの選択を迫ってきたということだ。

1、日本に行き、彼が関わる日本語学校で日本語を勉強しながら、
  学費を稼いで大学院に行く

2、彼が関わるぺきんの旅行社で働く

3、国内の大学院を目指してもいいが、そのかわり卒業後の仕事は紹介しない。
  (このとき、日本なら大学院に簡単に入れるとも言ったらしい)

このほかにもボスが関わる自動車学校で自費で免許を取れとも言われてて、
この三つの選択から一つ選ぶことと免許取得が卒業の条件になっている。

つまり言うこと聞かなければ卒業させないってこと。

なんて横暴なんだ!

学生はおまえの奴隷じゃないぞ!!!!

三年生なんて四ヶ月、各地のホテルに送られて朝から晩まで働かされて、
勉強なんて何もできなくて、やっと戻ってきたばかりなのにまた実習????

大体、本当に日本の大学院に入れるの???

中国語で「大学院生」のことを「研究生」というが、
「実習生」という意味もあるらしい。
つまり農業実習生とかでも研究生というそうな。

みんなだまされて農村とか送り込まれるんじゃないの?

それは大げさにしても、日本語学校に行きながら学費をためて
日本語能力試験の合格をめざすのはかなり難しいことだと思う。
しかもどれだけの時間働かされるかわからない。

その日本語能力試験、上から二番目のN2を今年の夏受けようって動きが
旅行二年の間で出ている。

待て待て待て待て早まるんじゃない!

日本語科の学生でさえ三年になるときにあればいいってものだし
毎日日本語の勉強をしている学生たちでさえ全員受かってるわけじゃない。

ましてや学習量も足りなくて
準備も全然していない旅行の学生たちが受かるのは相当難しい。
まだ早い!

そこに冷静な旦那さんの意見
「ねずみ講とかといっしょだよ。
ともだちを勧誘すれば簡単に儲けられますよ、って勧誘されて
実際は難しくて自信を失ってるところに
勧誘できないなら3000円払って
セミナーに出てくださいって金を取るみたいな」


はっ! まさにそうじゃないか!

N2を今受けさせるなんて
失敗させて自信を失わせる目的があるとしか思えない。
N2がないなら例の日本語学校に入るしかないと言ってるらしいし、
日本に行ったほうがN2ぐらいすぐとれますよとかも言ってるのかもしれない。

考え過ぎかもしれないけれど、とりあえず授業のときに
早まるんじゃないとだけは言わせてもらう。

そのほかにも日本のバイトがどのようなものかとか
留学生の労働時間が決まっていることとか
最低賃金がいくらかとか
「日本事情」ということで授業で伝えておく。

そのための一ヶ月の授業だと思っている。

うちに来た二年生たちもそうだけど、
三年生も不安でいっぱいの様子で直接相談してきた学生もいる。

彼女はN2合格を目指していて、
三年生の中では一番合格に近い。
その彼女でさえ今N2合格は難しいだろうと自分で言ってるし、
それ以前にボスへの不信感でいっぱいの様子。

本人は自分の力で国内の大学院に入りたいと思っている。
そしてその後、日本語ももっと勉強して、自分で日本に行く道を探したいと。

でも自分の選択が正しいのかどうかがわからない、
どうしていいかわからないという相談だった。

それに対してわたしは彼女の背中を押した。

訳 
「先生がいてくれてよかった、
 本当に心から私たちのことを考えてくれてるように思う」

「先生が言うことはうちのお母さんとほとんど同じだ」


今日道で会った三年生によると、
49人いるうちのクラスメイトのほとんどはボスに反発していて
日本には行かず国内の大学院に自力で入るという
第三の選択をする学生が多いとか。

ただ彼女のともだちのN2合格を目指している子は
日本に行くことを強く希望しているという。
近いうち家に呼ぼうと思う。
甘い誘惑にのせられるなと。

実際あの男絡みで日本に行った子たちが
ボス絡みのホテルで時給500円で働かされていたらしい。

ここに来ていた留学生のつっちーもボスにだまされて無給で働かされていた。
ぺきんやシャンハイと変わらない大都会だと言われ、
こんな田舎に連れてこられた挙句、
大学に入れなかった金持ちの子どもたちに日本語を教えていた。
日本語能力試験の5級に受からせるためだ。
それがないと日本に行く許可がおりないから。
そして例の日本語学校に送られた。
そのときの学生たちがつっちーに払っていたという授業料を
つっちーはまったくもらっていない。
なのに毎日朝から晩まで彼らに日本語を教え、彼らを合格させたが、
報酬も手柄もすべてボスにもっていかれた。

なのになぜかつっちーはこのボスを尊敬していた。
あの状況ではしかたない。

来たばかりの頃のつっちーは、
ここにほかに日本人がいるということも知らされてなかった。
わたしはつっちーのことをたまたま知って自分から会いに行ったのだ。

そのときのつっちーは水さえ自分で買うなとボスに言われていて、
孤立無援でボスしか頼る人がいないという状況に追い込まれていた。

いまだにボスを目の前にすると逆らえないとか
押しが強いから気をつけろとかわたしにも言ってくるけど、
正直わたしはこの男になんの魅力も感じない。

だから先日、学生を通して会いたいと連絡がきたときも
「今天没有时间(今日時間ない)」と答え
いつなら時間あるかと聞かれても
「最近很忙,没有时间(最近忙しい、時間ない)」
そっけなく返した。

すると業を煮やしてか、わたしの連絡先を学生から聞き出し、
自ら連絡してきた。

中国語で
「私の携帯は日本語入力ができないので中国語でいいですか?読めますか?」
ときた。

わたしは日本語で読めないと返した。

すると今度はエスペラント語であいさつしてきた。

この男は若い頃勉強したとかでなぜかエスペラント語が話せる。
日本語も話せるがエスペラントのほうが得意らしく、
初対面のときにはエスペラント語で会話した。

今度は「読めない」が通じないので無視した。

すると電話をかけてきた。

それも無視。

すると18時から19時近くまで鳴り続ける。

ちょうど旅行の2年生たちが遊びにきていたところだったので、
「うぜー」「ブロックしろ」「捨てろ」とか言い合った。

つか飯時だっての!
迷惑だっての!

こういうところでもわかるように、奴は人の都合など考えない。

つっちーはワンコールでいつも出ていたらしいが、
わたしは別に出たくない。

すると今度は日本語の音声メッセージがきた。

「おねがいしたいことがあるんですが・・・・」

はあ? あんたにお願いなんてされる筋合いないんですけど?

当然無視。

つっちーは押しが強いから断れないとか言ってたけど、
はっきりいってわたしは押しに弱くない。
押されれば押されるほど反発するタイプで、強引な男は大嫌いだ。

ただつっちーの場合は、
奴しか頼れる相手がいないって状況にまで追い込まれた経緯もあるから
私とはまたちがうところがある。
(プラスつっちーのドМ気質・・・)

それもあるから、わたしは相談にきた二年生たちに
やつ絡みで日本に行くなと言ってある。
最悪中国なら親のところに逃げ帰れるし中国人が助けてくれる。
でも日本で奴しか頼れない状況になったらそれこそいいようにされてしまう。

わたしが親なら今すぐ奴から引き離すが、
学生たち曰く、親は文化水準が低いから、
今どのような状況かも理解できないとのこと。

急速に経済発展した中国では今の大学生と親世代の間の
ジェネレーションギャップは相当なものらしく、
いくら学生たちがボスが自分たちを利用しようとしていると感じ取っていても
親にとっては学歴や仕事を与えてくれる大恩人ってことになるんだろう。

だから学生たちも私を頼る。
日本人だからってのもあるけど。
日本の情報はボスからしか聞かされていないのだから
信じていいのか誰に確かめたらいいのかわからなくて不安でいっぱいらしい。

そんなわけでわたしが授業を引き受けたのも
彼らに日本の労働環境や大学院についての情報を与えるためだ。
授業でそれらをやったところで何ら問題はない。
日本語科では「日本事情」という授業もあるぐらいだ。

ボスのおねがいは、わたしが一つ授業を引き受けたから
新しい日本人が来るまでつなぎで
ほかにも授業をやらせようってことなんだろうけど
そうはいくか。

おまえのために働くわけじゃない。
すべては可愛い学生たちのためだ。

そして一ヶ月以上はやらないということで
アン先生にも納得してもらったのだから
それ以上は絶対に延長はしない。

大体、新しい日本人が来るからいらないといったわたしに
よくも「おねがい」なんてできるもんだ。

なーんで、わたしがおまえの言うこときかなきゃないんだ。
ばーか、ばーか、ばーか!

大体誰でもおまえの思い通りになると思ったら大間違いだ。

実際学生たちは反旗を翻そうとしている。

「どうして私たちの人生の予定をそこまで決められなきゃないのか」
と言っている。

ただ彼らは「卒業」を盾に取られている。

せっかく通常の倍以上の学費で「本科」に入れても
卒業できなければ意味がない。

ほんとうに卑劣な男だよっ!!!!!!

来週から一ヶ月だけの授業が始まる。

わたしと連絡がつかないってことで
授業の時間を学生から聞き出して、
ボスが直接会いにくるかもしれない。

まあそれでも要求は一切聞く気はない。

何か直接言ってきたら、
通常モードの早口の日本語で相手しようと思う。
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コメント

1. 酷い。。。

このまで酷い事例は聞いたことないです。
チャイナでも超絶ブラックじゃないでしょうか。

2. 酷い。。。

 ひどいですね、お話を伺うとチャイナの中でも特にブラックなんじゃないかと。。。
チャイナでは大学や教員が学生に「研修」を「紹介」してリベート貰うってよくあるようですが、それにしてもそちらの学部はひどいです。公立なんですよね・・・?

Re:酷い。。。

公立です。この学部の「本科」はそのボスが最近作ったもので、二年前にできました。その初年度の一年生が私の初めての学生だったもので、今やボスには関わるまいと思っていても学生たちは我が子のようでいつまでも心配なんです。

プロフィール

HN:
倫子
性別:
非公開

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