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日々響く日々

泰山の奇跡

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泰山の奇跡

泰山は、道教の五山のうち一番の聖山として知られている。
三年前、ここに来たばかりの頃、最初に行きたいと思った場所で
絶対に行こう!と決めていた。
ここからは三時間ぐらいでわりと近く、行く機会は何度かあったが
なかなか行けずにいた。

それが、今回、わが娘、委員長が卒業前に行きたいということで
突然行くことが決まった。

そして委員長と夫と三人で泰山へ。

夜から登って朝日を見ようということで、夜22時から登り始めた。


だいたい目安の時間は6時間。
※四時間で登る学生もいるけど

日の出予定時刻は4時50分。

夜中の登山は初めてだ。
道は真っ暗なので懐中電灯で照らしながら登る。
アホみたいに思えた電飾ヘアバンドもはぐれないために役に立った。

最初は余裕だったけれど、一時間もしないうちに疲れてきた。

だんだん笑えなくなってくる・・・。

中国の登山といえば石段をひたすら登るというもので
これがかなり足にくるというか疲れる。

まず杖を買ったのだけれど、杖を選んでいるときに指に刺がささる。

それを夫がピンセットを使い、
はさみを使い、店の人から借りた針を使い、抜いてくれた。
普段はうるさく感じる彼の独り言も、こういう時はなぜか安心できる。
ここに来るまでも喧嘩になったし、家ではろくに顔も合わせてなかったけれど、
東京で黒カビ吸い込んで点滴打ったときも、
大阪でインフルエンザで動けなくなった時も、
札幌でぎっくり腰で動けなくなった時も、
この人はいつも助けてくれていたということを思い出し、
急に感謝が湧いてきた。

さすが泰山。聖なる山。麓ですでに聖なる浄化パワーが働いている。

暗闇から暗闇へ、途中明かりが見えるところは屋台などが並んでいて
水が売られている。

これが、店によって水の値段がけっこうちがって、
今のうち買っておこうと思って買うと、
その先の店ではさらに安かったりって感じだ。


山なので携帯の電波が届かなかったりして現金で払ったりもしたけど、
現金で払うのが慣れてなくて、
100元出して86元のおつりを貰い忘れたことに気づき、
せっかく登ったところをあわてて戻ってまた少し登り直し。
体力がさらに失われた・・・。

上の方は寒いと聞いたけど、汗はダラダラ、暑くて暑くて水をがぶ飲み。
水がすぐなくなるので、最初のうちはとにかく店を目指して
水を買っては飲み、買っては飲みといった感じだった。

←中天門
まだまだ中間。すでにへろへろ。
二人はどんどん先に行き、私はへろへろになりながらついていくという感じ。

 

山を登っていくとホテルもある。
ここで泊まって翌日登りなおす人もいるんだろうか。
あるいは帰りに泊まるとか。


途中の店で卵と桃を食べた。
卵は変な味がすると委員長が言ったけど、桃はおいしかった。

委員長は曇りの天気を気にしていた。
月が陰ってよく見えない。
このままでは明日の日の出は見えないのではないかと話していたが
日の出どころが突然の雷雨。



雨具も何もなくて、大粒の雨が当たったが、運良くすぐ近くの店で
雨宿りができた。

そこにいること数十分。
雨がやんだので再び登り始めた。

 
龍門に来た時にはすでに足はへろへろ。
これぐらいになると階段の横に手すりがついている。
石段は均等じゃないのでジグザグに登ったりするかしないととても疲れる。
委員長は二段飛ばしがが楽と言うけど、もうすでに足も上がらない。
手すりにつかまりながらやっと登っている状況。

先を行く二人に待ってもらいながらなんとか追いついて進んでいく。

途中足がもつれて階段でよろけて手をついたとき、
手すりに連なっているちゃいなのみなさんが一斉に
「アイヨ」「アイヨ!」とびっくりしてたのがおもしろかった。

やがて山頂まで20分というところにたどり着いた。
さすがに寒い。ここで軍服みたいな上着を借りる。

 
日の出にはまだ時間があるので少し休憩。
この時朝4時ぐらい。

日の出はコンタクトではっきりみたいと思い、
こんなところでコンタクト装着しようとして
風で四枚全部飛ばしてしまう。

そうこうしているうちに日の出が迫ってきた。
20分ぐらいというのに山頂までけっこう遠い。

二人は日の出を見逃してたまるかとどんどん先に行く。
わたしは必死についていった。

そして日の出スポットに到着。
 

日の出が出る瞬間は見えなかったけど、朝日を拝むことができた。
 
 
ああ、心が洗われるようだ。
太陽の光に晒されていると、ドロドロしたものがすべて溶け去っていく。

泰山に登る学生は多くて、SNSの投稿で写真はいつも見ていたけれど、
はっきりいってこの場所の素晴らしさは写真では撮りきれない。

本当にここは仙境なんじゃないかって感じがして
山頂から下界を見下ろしているかのような気分になる。

ここに来れて本当によかった。
一時は雷雨で見れないかとあきらめかけた日の出も拝むことができた。

奇跡は起きるのかもしれないと思った。

そう思えることができるぐらいの場所だった。

朝ごはんを食べて下山。
泰山がある泰安はとくに名物もないんだけど
なぜかネギ巻き煎饼が有名。
試しに買ってみた。

中に長ネギ一本とソーセージが入ってるんだけど、
これがおそろしくまずかった。
あとで違う場所で同じ名前のまったくちがうものを目にする。
ちなみにこれは10元。
普通は2元らしい。
さすが観光地価格。
 
下山の時には疲れきっていて

ロープウェーで中腹まで降りて、中腹からはバスで下山した。

徹夜で登山し、すでにへろへろになっていたけれど、
私にはほかにどうしても行きたい場所があった。

泰安地下竜宮の鍾乳洞だ。

こちらのブログの人の情報が非常に役に立った。
ほんとここに書いてるとおり、標識通りに進むとだだっ広い公園を
遠回りせざるを得なくなる。
徹夜明け登山後の体にはきつい。

で、標識に惑わされることなくたどり着いた鍾乳洞。
目的は急流すべり
 
 
配られたビニールを履いたところに
さらに泰山で雷雨にあった際買ったカッパを着る委員長。

ボートに乗りながら鍾乳洞を眺めるんだけど、
まるでディズニーのアトラクションのよう。
ただずっと広いし時間も長い!
最後の急流のところといい満足度はディズニー以上。

ボートを降りてもまだまだ鍾乳洞はある。


どぎつい照明で照らすのがちゃいな流。
まいたけっぽい
滝もある。
なぜかこの鍾乳洞だけお布施?がある。

かなり満喫して帰った。

相当疲れたけど楽しかった。

しかし泰山での奇跡は下山するとすぐ元通り。

相手の頑なに閉じた心はどうしようもない。
言葉が絶対な人に感情的に接してきた結果。

覚えばいろんな聖地に一緒に行っている。
最近ではベトナムの聖山、五行山とか。

そのとき以上の感動が泰山にはあった。

だから奇跡は起きるかもしれないと素直に思えたのだけれど
もう終わっていくものはどうしようもないんだろう。

日が昇り、そして沈むのを誰も止められないように。
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