うちの向かいのりーりーが、わたしを心配してきてくれた。
赤子を抱いて。
いつも心配してくれる。
そしてごはんも持ってきてくれた。
りーりーのだんなさんの博士が作ってくれたごはん。
今日は端午節だからと旦那さんはその前にちまきを持ってきてくれた。
リーリーはいつも博士のことをまぬけだというけれど、
とてもいい人だと思う。
ご飯を届けに来たリーリー。
涙でごはんが見えねー!
わたしはここの仕事が好きだし、学生が好きだし、
隣人にも同僚にも恵まれている。
ここの人たちは外国人に親切だし、いなかの善良な人が多い。
タクシーの運転手さんは山口百恵が好きで、
国と国の仲はどうでも民間人は関係ないし仲良くしようなと言った。
こんなこと言うおじさんをわたしは日本ではほとんど知らない。
一番身近な日本人よりよほど心が温かいよ、ちゃいなのみなさんは。
りーりーは前に私が不在の時、梨を蜜でつけたものを届けにきたことがある。
そして「喉がつかれただろうからこれを食べろ」と言って渡したという。
こんな対応日本人できる?
日本なら苦情言うか通報ものだろう。
いや、ここでも韓国人留学生に苦情言われてるけど。
りーりーは妊娠中も出産後もいつもわたしのことを気にかけてくれた。
身重の体でよく心配して様子を見に来た。
うちにおいで、いっしょに寝ようといつも言ってくれた。
普通逆だろう。身重でたいへんなときに人の心配なんてしてられない。
むしろこんなときに何やってるんだ迷惑だと苦情にきたっていいはず。
人間の器がちがう。
ポジさんもリーリーもわたしに優しい。
二人は実際に知っているからだ。
近くに住んでいたつっちーも知っている。
でもまともに信じない人もいる。
私がいくら訴えても。
しかたない。
母親っていうのは息子が絶対なんだろう。
りーりーも将来そういう母親になるんだろうか。
わたしはここを出たくない。
りーりーと一緒に彼女の息子の成長を見守りたい。
もっとりーりーとちゃいなの言葉で話したい。
わたしの下手なちゃいな語を誰よりも聞き取れるりーりー。
わたしはここで本当に隣人と同僚と学生たちには恵まれた。
もうすぐ「娘」の委員長がここを去る。
「弟」のジョもしょーたつも「ペット」のめーりんも。
擬似家族にもたらされたわたしの温かな「家庭」
今までいっしょにごはんを食べてくれてありがとう。
一人でごはんはさびしい。
日本の父も毎日こんな思いをしているんだろうか。
りーりーは息子がもっと大きくなったら
息子が一人で自由に遊びにくるから寂しくないよと言うけれど
それまでわたしはここにいるのかもわからない。
家族は多い方がいい。
二人きりの戦場はしんどい。
1. 無題
優しい友人の心を素直に受け止めて下さい。
そして、この心を忘れないで下さい。
あんなにしたやったのに、のにでる愚かさ。
噛み砕いて下さい。